中日韓書画交流展(長沙市開催)
2017年10月21日(土)から27日(金)にかけて、長沙市で京都市、長沙市、大邱広域市の書画家が参加する「中日韓書画交流展 美美与共」が開催されました。
21日(土)の開幕式典に出席するため、京都市からは4名の書家が参加し、長沙市、大邱広域市からも多くの書画家が参加しました。
【10月20日(金)】
昼から視察に出発、まずは長沙市を代表する名所の一つ「岳麓書院」を見学しました。
「岳麓書院」は976年に創立され、朱熹や王陽明も講義を行うなど、中国最古の大学として「千年学府」と称されています。山内には、日本の三筆に数えられる弘法大師空海が、中国への留学時に写したという「麓山寺碑」があり、京都の書家も興味深く視察を行いました。
その後、夜には、展示会場で作品の設営等を確認しました。
今回の会場は長沙市中心部に新設されたミュージアム、譚国斌(たんこくしん)現代芸術博物館。近代的なビル内の2~4階を占め、2階は喫茶スペースやライブラリ、3、4階が展示室となっています。
譚国斌館長は中国でも広く知られる美術コレクターだそうで、書のほか、現代美術の作品をコレクションされているとのこと。間もなく開館予定の長沙市美術館の館長も兼ねておられます。
【10月21日(土)】
朝から視察に出発。写真美術館を拝見した後、長沙簡牘(かんどく)博物館へ向かいました。
「簡」は竹の札、「牘」は木の札のこと。1996年に長沙市中心部で出土した、14万枚の三国時代の竹簡、木簡を収蔵されています。中国古代の歴史を知るために重要な史料であるとともに、文化財の保存・活用や、古代の書の在り様を知るという観点でも、貴重な資料なのだそうです。
昼からは、いよいよ開幕式典です。大邱広域市からの書画家とも合流し、揃って式典に出席。彭勇・長沙市文化広電新聞出版局副局長等の御挨拶に続き、3都市が互いに記念作品を交換しました。
京都市代表団・白井進団長の御挨拶
夜には歓迎会が催されました。会の最中にも、京都の書家から中国の書家に図録を献呈し交流を深めました。日中韓は、書についての共通の知見も多く、想像以上に話が弾みました。
【10月22日(日)】
朝から視察に出発。まずは長沙市内を流れる湘江本流にある島、橘子洲(きっししゅう)を目指しました。
橘子洲は、近年都市公園として整備され、2009年には高さ32mの毛沢東青年像が設置されました。長沙市民の憩いの場として、また観光地として知られています。水泳を好んだ毛沢東が、若かりし頃、湘江を泳ぐ途中に島で休息し、自生する蜜柑を食べ、仲間と論議をしたといい、島内には毛沢東所縁の名所が点在します。
橘子洲 毛沢東青年像を背景に、韓国代表団と
その後、濱江文化園に位置する長沙企画展示館、長沙博物館へ向かいました。
同園は、長沙市の都市計画や各種指標を紹介する「企画展示館」のほか、「博物館」、「音楽ホール」、「展望台」等が整備される文化ゾーンです。近隣にはホテルや高層マンション、オフィスビル、学校、医療機関等も整備されており、開発が進められている一角です。
夕方からは、日中韓の書画家による交流会が行われました。急遽、作品を制作することとなり、場内は徐々に張り詰めた雰囲気に。各作家の創作の後には、大きな拍手が起こりました。
書画家による創作交流会
今回のプログラムを通じて、3都市の書画家が大いに親交を深めました。互いに共通する知見、共有する歴史も多く見られる一方で、例えば韓国ではハングルの書道が模索されるなど、異なる文化にも改めて気付かされました。