長沙での日中韓青少年交流事業

長沙の夜明け
8月19日(土)から23日(水)にかけて,長沙市において,長沙市,京都市,大邱広域市の高校生の文化交流プログラムが実施されました。
京都市からは市立銅駝美術工芸高校,塔南高校,紫野高校の生徒計16名が参加。長沙市は,京都市と同じく,山に囲まれた盆地の地形をしており,夏の暑さも京都と同じ,いやそれ以上の湿気を含んだ暑さでした。日中の気温が連日40度近くにも上昇する中,青少年交流のボルテージも徐々に高まりをみせました。
【1日目】
銅駝高校の皆さんは北京経由,塔南高校,紫野高校の皆さんはソウル経由の飛行機で長沙に到着。到着後はすぐに夕食の時間。この日は移動のみで一日が終わりました。
【2日目】
まず長沙のまちを知ることからはじめよう,ということで,市内の名所旧跡を見学しました。 市内中心部を流れる湘江に位置する島「橘子洲(きししゅう)」にある,中国の指導者毛沢東の青年像は,高さ32m,長さ83mもあり,その大きさに圧倒されました。

橘子洲の毛沢東像
また,毛沢東の学び舎「第一師範大学」,中国最古の最高学府で四大書院の一つ「岳麓書院」を見学し,多くの貴重な文化財を有する歴史文化都市・長沙への理解を深めました。

湖南第一師範大学
食文化も,今回の大きな体験プログラムの一つです。唐辛子を多用した「湖南料理」に最初慣れない様子でしたが,徐々に慣れていきました。
また夏なのに冷めた料理が少ない,飲物に氷が入っていないことにも驚きました。
「内臓を冷やすことは体にとって良くない。夏でも温かいもの,辛いものを食べる。だから私達は夏バテをしない。」と,おっしゃっていました。
【3日目】
交流プログラムの開催される会場,長群梅渓湖中学校へ。中国では,中学=中学と高校を指し,今回訪れた中学校も,中高一貫の学校でした。
2012年に開校したばかりの新しい市立の学校で,約8万㎡(東京ドーム2個分)もの巨大な敷地面積の中に,巨大な食堂,学生や教師の寮などもありました。
到着後,日中韓の生徒間でのプレゼント交換を経て,日中韓の生徒合同での水墨画・中国武術・卓球の指導,体験が行われました。中国武術の指導者は元オリンピック選手,卓球のコーチも全国チャンピオンと,優秀な講師陣から貴重な指導をいただきました。

水墨画の授業

中国武術体験

卓球体験
【4日目】
再び長沙のまちの文化視察として,市博物館,市計画展示館を訪問しました。
市の博物館では,美術専攻の生徒達が豪華な副葬品,工芸品に興味津々で見入っていた姿がとても印象的でした。

長沙市博物館
午後からは,中国4大刺繍の一つとされる「湖南刺繍」の歴史博物館を見学。絵画との見分けがつかないような繊細な刺繍作品を制作される職人の手仕事を,間近で見学しました。

湖南刺繍の作業風景
その後は,実際に刺繍体験。京都の生徒は,東アジア文化都市2017京都のロゴマークを制作。皆さんあっという間に作品作りを終えました。

刺繍体験
夜は,歓送会を催していただきました。会場の「西湖楼」という大きなレストランに到着した途端,外の大きなスクリーンに,交流プログラムの様子が映し出され,嬉しい驚きでした。

西湖楼入口にて
最後にお世話になった長沙の方々への御礼として,大邱の生徒からは音楽演奏,京都からは,長沙滞在中に,ホテルの一室に皆で集まり,毎晩練習した,自らの体,声を用いたボディーパーカッションを披露しました。あっという間に過ぎていった数日間の交流プログラムを振り返りながら,長沙最後の夜,交友を深めた隣国の友との別れを惜しみました。

ボディーパーカッション